ルネッサンスと再興の街、フィレンツェ
ヴェネツィアとローマに続く、イタリアで3番目の観光都市、フィレンツェ。ダンテの『神曲』をはじめとするフィレンツェ市民の文芸的なイタリア語を聞けば、その魅力を理解できます。
夏は息が詰まるように暑く、冬は薄暗い。日中は人動きが多く、夜は静か。スタンダールも好んだフィレンツェが、この « さすらいの幸福 » を全ての旅行者に贈ります。ガイドブックをわざと忘れて迷ってみましょう。フィレンツェの魅力に惹かれるままに、路地をあちこち適当に歩き、人影のない素晴らしいピアッツェッタ(小さな広場)に辿り着いたり、アルノ川の河岸でゆっくりしたり、ドアの上にあるスタッコ装飾の聖母像の前で思いにふけったり、シナゴーグの近くでファラフェルを食べたりしてみてください。
ルネッサンスの誕生を目の当たりにしたこの街では、2015年10月にドゥオーモ付属美術館(museo dell'Opera)の落成式が華やかに行われました。フィレンツェの偉大な前衛建築家フィリッポ・ブルネレスキによって15世紀 に作られた、 « ドゥオーモ » の名の由来でもあるクーポラのあるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂内に身を寄せたこの美術館は、まさに近代の傑作です。展示されている750点の作品は、大聖堂の建設や誕生から壮年期までの長きにわたる歴史を、ゴシックからルネッサンスまでの時代と様式を通して語っています。美術館ではドゥオーモの本来の姿であったアルノルフォ・ディ・カンビオ作の実物大のファサードが復元されています。また、今回初めて洗礼堂やドナテッロの『マグダラのマリア』、数十キロもある銀の塊でできた祭壇、長い間隠されたままであった財宝などを一般公開しました。
『私がフィレンツェのことを考えた時、それは驚くほどに芳香の漂う、まるで花冠のごとき町を思い浮かべるのだが、それはフィレンツェが百合の都と呼ばれ、その大聖堂はサンタ・マリア・デル・フィオーレ、「花の聖母マリア」と呼ばれていたからである』とマルセル・プルーストが『スワン家のほうへ』の中で綴っています。メディチ家の王朝、建築家の巨匠たち、彫刻、絵画などを集めた素晴らしい宝石箱。ここで毎秒ごとに過ぎていくのは美の興奮です。
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